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 タイムマシン ACT6

18歳の俺はすぐに見つかった
小さなアパートで安いギターを下手なアルペジオで弾きながら自作の曲を歌っていた
勝手知ったる私の家って感じで、59歳の俺は訪ねて行った
俺は18歳の彼に一枚の楽譜を渡し、一緒に第二回フォークジャンボリーに行く約束をした
そこに12歳の彼女も連れて行き、18歳の俺の雄姿を見せるのだ

「飛び入りで出場して、この曲を歌うんだ、そうすればおまえはすぐにフォークシンガーの仲間入りだぞ」

「えっ!ホント?・・・でもあんたは一体誰なんですか?」

「私は世に埋もれたシンガーソングライターだ、本当ならこの曲でデビューしようと思ったんだが、還暦まじかになってフォークシンガーでデビューしても、誰も注目してくれないだろう、しかし、君なら若い!君の若さと歌のうまさで華々しくデビューしてくれ!」

「分かりました!」
18歳の俺は楽譜を見て呟いた
「神田川・・・」

そう、それは1973年9月に(南こうせつとかぐや姫)が出す予定のシングルだ、この曲は当時大ヒットした
しかし、いまこの時代、南こうせつは存在しているが(神田川)という曲は存在していない
この曲をフォークジャンボリーで歌えばアンコールの嵐だろう
そうすれば、一緒に連れて行った12歳の彼女も、18歳の俺に惚れること間違い無しだ!

59歳の俺、18歳の俺、12歳の彼女は1970年8月8日、岐阜県恵那郡坂下町の花の湖畔にやってきた
コンサートは昼過ぎから始まり、最初に登場したのはインスタンツ、その後アマチュアが続く、
なぎらけんいちもこの時飛び入りで参加して一躍人気者になるのだ
18歳の俺はギターを抱えながら興奮していた
12歳の彼女は立ちあがってハシャイデいた
なんて可愛いんだろう

「いまだ!行け!」

18歳の俺はステージに駆けあがった
歓声がすごい
18歳の俺が緊張しているのは、客席からでもよく分かった
12歳の彼女も心配そうだ

「お兄ちゃん大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよきっと」

歌い出した

あなたは〜〜〜もう〜〜〜忘れたかしら〜〜〜♪

声が震えているのは仕方ない、しかし初めてにしてはよく歌っている
観客は静かになった
きっと感動しているに違いない・・・
と思ったら、突然怒号が!?
「軟弱野郎〜〜〜!」
「何がカタカタなっただ〜〜!ふざけんな!」
「ひっこめ〜〜〜!」
「女々しい歌は止めろ!」
18歳の俺はステージから引きずり降ろされ
泣きながら俺のところに戻ってきて怒鳴った

「なんだこんな歌!馬鹿野郎〜〜!」
12歳の彼女、軽蔑した顔で18歳の俺を見ていた

四畳半フォークは、この時代まだ早すぎたのだ・・・


つづく


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