台所で詠子が何かやっている
「何してるんだ?」
「チョコレートのクッキー作ってるの」
見に行くと、台所に薄力粉とか砂糖とか、いろんなもの広げてる
そうか、明日はバレンタインデーだ
しかし、1969年当時それほど普及はしていない
「誰に渡すんだ?」
「会社の人よ」
詠子はまだタツノコプロダクションで色塗りの仕事をやっていた
「義理チョコか」
「当たり前じゃん!」

最近詠子も色っぽくなってきた
もうすぐ16歳か・・・
風呂上がりの上気した肌を見てると、時々ドキッとする

いけないいけない!
そんなつもりでこの時代に連れてきたわけじゃないのだから・・・

翌日
詠子は俺にもチョコレートクッキーをくれた
「義理だけどね」
そう言いながらニッコリ微笑む詠子
「ふん」
感心なさそうに受け取った俺だが、心の中は有頂天
「そうだ!健司くんにもチョコレート上げるんだぞ!」
「だって、会わないもん、おじさんから渡しておいて!」
そう言って、健司くん分のクッキーを放ってよこすと、ドアを閉めて駆けて行った

健司の家へ歩きながら、作戦が遅々として進まないことを反省する
健司はまだ子どもだから、積極的に行くこともできないし、歌もそんなにうまくないし、作詞をさせてもつまらないし、ギターだって上達しない・・・
しかし、それは全て自分に返ってくる
自分自身に文句を言っても仕方ない・・・
何か大きなきっかけを作らなくちゃ・・・
歌声喫茶に行って昔を懐かしんでいる場合じゃない・・・反省

俺は年取ってから、後悔が一つある
無銭旅行でも何でもいい、若い時に外国に行かなかったことだ
そういう冒険心が俺には足りなかった

そうだ!
健司を未来に連れて行こう
そして、未来の文化に触れさせよう!
そうすることによって、あいつの才能が花開くかも知れない!


つづく




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