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時は1969年7月
新宿西口淀橋浄水場跡地で京王プラザホテルの工事をやっている頃・・
16歳の高校一年生山田健司は至って普通の高校生活を送っていた。
巷ではフォークソングが流行っていたので、彼もまたその波に呑まれ、中古のガットギターを友人から安価で買い、練習していた。
だからといって、フォークシンガーになろうなどと、大胆な夢は今のところ持っていない。

もちろん彼女はいない。
奥手の彼のあこがれの女性は、ピンキーとキラーズのピンキーだった。
前年「恋の季節」で衝撃的にデビューしたボサノバグループである。
「恋の季節」はオリコンチャート17週1位になっている。
彼の部屋にはピンキーとキラーズの大きなポスターが貼ってあり、それを見るたびに彼の胸はキュンとなった。
童貞の高校一年生に取ってはそれくらいの刺激で充分だった。

彼の将来の夢は漫画家になることだった。

「巨人の星」「あしたのジョー」「天才バカボン」「ゲゲゲの鬼太郎」「ハレンチ学園」「男一匹ガキ大将」「秘密探偵JA」「火の鳥」「漫画家残酷物語」「フーテン」「ジュン」
1967年に創刊されたCOMの影響も大きかった。
「いきぬき」で月例新人賞を取った青柳裕介。鮮烈な印象でデビューした岡田史子。

何とか頑張ってCOMで新人賞を取ってデビュー・・・。
でも、それでさえ、雲の上のことのようで、彼には手が届かない儚い夢に思えた。

そんな彼の前にある日突然、一人の中年男と、ピンキーより可愛い美少女が現れた。

中年男は「URCの山だと言います、初めまして」と名刺を差し出した。
オドオドしながら名刺を受取る彼には、何が起きているのか理解できなかった。

「URCと言うのは、アングラ・レコード・クラブの略称でございます。今回、自主制作でいろんなフォークシンガーのレコードを通信販売で配布することになりました。いま予定しておりますのが、岡林信康先生と五つの赤い風船先生のアルバムでございます。第二回、第三回と配布していく予定でありますが、第二回以降、ぜひ山田健司先生のアルバムも配布させていただければと思って、本日参上したわけでございます」と縦板に水の調子で一人で話す中年男。
彼に向って満面の笑みを見せている中年男。
なぜか他人のような気がしない・・・親戚?
今まで会ったこともないはずなのに、鏡に映った自分を見るような変な気分。

中年男が言ったことの半分も理解できなかった。

・・・何の話し?・・・

中年男の横には冷めた目で自分を見ている美少女。
彼女は、同じ時代に生きている雰囲気をまるっきり感じなかった。
まるで、遠い空の彼方からやってきたような不思議な美少女・・・


つづく




 

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