• 2013.01.08 Tuesday
  • 196Q

 第一幕

ここはスナックトマト店内

ステージと客席が暗くなる
イントロが始まる
舞台に照明、マイクスタンドの前で歌う男

♪私たちは今 思い起こさなければ
♪私たちは今 平和をきずかなければ
♪私たちは今 兄弟を守らねば
♪私たちは今 戦争を忘れてはならない
♪まるで洪水のように
♪なにもかもが
♪ひきずりこまれて行く
♪私たちは今 戦争を忘れてはならない・・・

     作詞 西岡たかし

舞台全体に照明が点く
男の後ろのボックス席で欠伸をしていた若い女が慌てて拍手をする

女「始めて聞いたわ」
男「これは、五つの赤い風船ってフォークバンドが歌っていた(まるで洪水のように)と言う曲さ」
女「フォークソングって聞いたことないわ」
男「そうだよな、キミはいくつだ?」
女「27よ」
男「キミが産まれるずっと前の歌だ、あの頃は良かった・・・」

遠くを見つめる男
苦笑する女

女「私の知っている曲を歌ってよ」
男「悪い・・・最近の歌はまったく聞かないんだ、何を聞いても全部同じに聞こえる、AKBだってDDTだってももクロだってシロクロだって、違いが分からない」
女「そう・・・」

会話が続かない、男も女も沈黙

男が意を決して立ち上がり、スポットライトが当たる

男「俺はこの女が好きだ!大好きだ!結婚できるものなら結婚したい!運良く俺は独身だ・・・バツイチだが・・・しかし、俺はもうすぐ還暦、だが彼女は27歳・・・年の差は30歳・・・しかし!加藤茶は45歳も年が違うのに結婚した!それに比べれば30歳なんてどうって事は無い!」

振り返り、女の方を見る
ゆっくりと顔を戻し

男「だが、加藤茶はお金持ちだ・・・それに比べて俺は貧乏なアニメ演出家・・・おまけにイケメンでも無いし身長も低い、鼻も低い・・・イビキがひどい、歯ぎしりもする、足も臭いしオナラも臭い・・・マイナス要素が多すぎる・・・っていうか、プラス要素が皆無!・・・こんな俺でも若い時は輝いていた・・・と思う・・・」

照明が点く

女「独り言?もう一杯いただいていいかしら?」
男「あ、ああ、いいよいいよ」

慌てて座る男
反対に女は立ち上がりカウンターに近寄ってバーテンにウーロンハイを注文する
バーテンダーは若いイケメンだ、女とバーテンダーの視線が一瞬絡み合う
男の胸に嫉妬の炎が燃え上がる

男「やっぱり女はみんな若いイケメンが好きなんだ!俺なんか俺なんか・・・あ〜〜〜もう一曲うたってやる!」

♪好きだった人 ブルージーンをはいていた
♪好きだった人 白いブーツをはいていた
♪好きだった人 ステテコもはいていた
♪好きだった人 Tシャツが似合ってた
♪失恋という言葉は 知ってたけれど
♪失恋という言葉は 知ってたけれど

     作詞 伊勢正三


つづく




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