- 2017.12.22 Friday
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ゆるキャラ刑事ムサッシーはその日非番であったが、着ぐるみで出かけた。
いせやの焼き鳥を食おうと思い、吉祥寺駅南口からパープル通りをブラブラ歩いて行った。すると野外ステージの方から子供たちの歓声が聞こえてくる。
焼き鳥を食べながら近づいてみると、ステージにゆるキャラたちが並んでいた。
名前を聞いたことも無い様な着ぐるみが四体、媚びたポーズを取っている。
タヌキみたいな着ぐるみ、ウサギみたいな着ぐるみ、熊みたいな着ぐるみ、何だか分からない着ぐるみの四体だ。
「なんか田舎くさい連中ばかりだサッシー」
ムサッシーの声を聞いた生意気そうな子供が振り返って「お前はあそこに行かねえのかよ」とムサッシーの腹を蹴ったので、ムカついたムサッシーは思いっきり頭を叩いてやった。
「ぎゃああああ!こいつが殴った!」
子供が大声上げて泣いたので、あわてて現場から逃走しようとした時。
ステージ前方から大きな笑いが起こった。見ると、タヌキみたいな着ぐるみがうつ伏せになって倒れている。
ステージ上の司会者も他の着ぐるみたちも、笑いを取るためにワザとやったのだろうと思ったらしく、助け起こす事もしないで笑っている。
「うんサッシー?」
ムサッシーは嫌な予感がした。
1分経っても、倒れたタヌキみたいな着ぐるみはピクリとも動かない。
ステージ前の客たちも、笑いをやめざわついている。
「管轄外だが!武蔵野市の平和を守るゆるキャラ刑事ムサッシーだ!」
叫びながらステージに駆け上がり、タヌキみたいな着ぐるみの背中のジッパーを下ろした。すぐに目に飛び込んできたのは刃渡り30センチほどの包丁と真っ赤になった背中だ。
それを覗き込んだ司会者と他の着ぐるみたちから悲鳴が上がった。
客たちから包丁は見えないが、只事では無いと思ったのだろう。悲鳴を上げながら子供たちを連れてステージから離れて行った。
「着ぐるみ殺人事件サッシー!」
つづく