ポコポコ王女は相変わらず幽閉されていた
マナが必死にカバー国王やポコポコ王様に言ってくれたのだが・・・
「お兄様の幽霊が現れたんです、死んだのは自分の責任で、ポコポコ王女の責任じゃないから、王女を許してくれって言ったんです」
しかし、みんなマナの言うことを聞いてくれませんでした
「マナ、それは夢を見たんだ!」
「幽霊が出てきてそんなこと言うわけ無いだろ」
「幽霊なんて存在しない!」
三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」を見ていないけど、映画もこんな感じなのかな?
そんなわけで、せっかくカーバー王子が外出許可までもらってやってきたのに、何の役にも立ちませんでした
カバー国王はポコポコ王女の裁判を自国でやりたいと強硬に主張しました
しかし、ポコポコ国王としては「はい、どうぞ」と言うわけにはいきません
硬直状態が続き、解決方法は戦争か?という緊迫した時
ポコポコ王女がマナの手引きで脱走しました!
城下町から逃げ出すのは一筋縄ではいかないので
とりあえず、ウサギ探偵の部屋に隠れました
「王女・・・まさか脱走してくるとは思いませんでしたよ・・・まいったな・・・突然来ないでくださいよ、俺だってプライバシーってのがあるんだから・・・」
ウサギ探偵ボヤきます
マナとポコポコ王女が部屋に来た時、ウサギ探偵はハリネズミのコールガールを部屋に連れ込んでイチャついてる真っ最中でした
「うるさいわね!あたしの上げたお金でコールガールなんか買って!汚らわしいウサギね!」
マナもホントに嫌そうな表情で
「ホントですわ、あ〜〜〜汚らわしい汚らわしい、あんたケダモノよ!」
「まあ、ケダモノは間違いないですがね・・・でも、これからどうするんですか?いつまでも俺の所には居られませんよ?」
「分かってるわよ!しかしね、もとわと言えば、あんたがモンローなんていう女をお城に連れてきたのがいけないのよ!あんなことなけりゃ、カバと二人で湖に行くことも無かったんだから!あんたのせいよ!」
「確かに・・・俺のせいですね・・・そりゃ申し訳ないと思ってます・・・しかし、これからどうするつもりですか?」
王女とマナは顔を見合わせた
「まず、城下町から逃げないとね・・・」
「私の別荘があります、とりあえずそこまで行こうと思います」
「城下町の門を通るのが一番大変ですねえ・・・どうしたもんかな・・・」
「いいわ、考えといて、あたしは疲れたから寝るわ」
ポコポコ王女はそう言ってウサギ探偵のベッドに横になり、すぐに鼾をかきだした
マナもソファに深々と座った
「マナさん、一杯行きますか?」
ウサギ探偵は戸棚からバーボンを取りだした
「そうね・・・少しだけいただこうかしら・・・」
「疲れた時にはこれをグイッと行くとすぐに寝られるんですよ」
そう言いながらふたつのグラスにバーボンを注いだ
「しかし、どうやって脱走したんですか?」
マナはバーボン飲みながら
「鍵を盗んだんですの、あとはポコポコ王女が持っていた、ゾウとブタの着ぐるみを被って出てきたんですの、簡単でしたわ」
「なるほどね・・・」
空になったマナのグラス見て
「もう一杯行きますか」
マナは何も言わずグラスを突き出した
「だって・・・お父様もお母様も、私の言うこと信じてくれないんですもの・・・せっかくお兄様が幽霊になってまで私たちの前に現れたっていうのに・・・もう、頭に来ちゃう・・・」
注がれたバーボンを一気に飲んで、ウサギ探偵の前にグラスを突き出した
探偵、目を丸くしながら「大丈夫ですか?」
「あんなステキなお兄様が居なくなってしまうなんて・・・私信じられない・・・こんな悲しいことってないわ・・・そうでしょウサギさん?」
マナのグラスにバーボン注ぎながら「は・・・はい、そうですね・・・」
注がれたグラスをまた一気に飲み干して突き出した
「ホントにそう思ってるの?怪しいわね?ホントにそう思っているのなら
ホントです!ホントです!ホントです!
って十回言って!」
「マナさん、そんなに大声出さないでくださいよ、ここはアパートですからね、お城じゃないんですよ、隣に聞こえてしまいます!」
「なんだって?」
目がすっかり座っていた
ジーッとウサギ探偵を見つめた、まるで黒ヒョウのように・・・
「ちょっ・・・ちょっとマナさん、どうしたんですか?」
「・・・フフフ・・・美味しそうなウサギだな・・・」
舌舐めずり始めた
「やッ止めてくださいよ、マナさん・・・」
「グガ〜〜〜〜ッ」
マナがウサギ探偵に飛びかかった
「ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
お尻に噛みつかれたウサギ探偵必死に逃げようとするが歯が尻に食い込んで逃げられない
隣の住人が壁を叩いた
「うるさいぞ!」
ポコポコ王女が目を覚まして、ふたりの姿を見た
「新しいプレイ?・・・」
そう言ってまた寝てしまった
「ウガガガガガガ・・・・ガ・・・ガ・・・」マナも唸りながら寝てしまった
ウサギ探偵は慎重にお尻に食い込んだ歯を抜いてバンドエイドを貼った
「ふぅ・・・ポコポコ王女一人だけでも大変なのに・・・まいったな・・・」
つづく