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 町長、助役、警察署長、教育委員会委員長、高校校長などなど、町のお偉いさんの昼食会

ポールのパパ、警察署長が何気なく切りだした
「確かに、ロックなんてうるさい音楽は非行への一歩かもしれませんなぁ、しかし、中には真面目に活動している若者もいるかもしれませんよ、ロックなんてやめろと言ったら、ホントに非行に走ってしまうかもしれませんぞ、そんなこと可哀そうでしょう?」
みんな無言で黙々と昼食
「公民館で一日だけロックバンドコンクールやったって・・・ねえ?…大目に見てもいいですよねぇ?」
みんな無言
肉を飲み込んだ町長、ジロッと署長を睨んで
「・・・一人くらい非行に走ったって、いいんじゃないの」
「は・・・はあ・・・」
町長下品な音を立ててお茶を飲んだ
署長の反抗もここまでか・・・
「いや・・・あの・・・町長、ちょっと聞いてください・・・」
町長大きな音でゲップをした
何も言えなくなってしまう署長
「今日の肉は固かったなあ・・・」
町長の意見にうなずく助役と委員長ほか一同

ドアをたたく音
返事を待たずにドアが開いた
そこに立っていたのは、おヨネ婆さんと青森組組長ウンコ垂れの太郎
一瞬ドキッとなる一同、おヨネ婆さんに関しては何も感じないが、青森組組長にはみんな多少なりとも弱みを握られている
まず町長が口火を切った
「組長、今日はなんだね?ちゃんとアポを取ってもらわんと・・・」
組長、一同を見回す、思わず顔を伏せる一同
「私は今日はこの方の付き添いです」
「付き添い?」
おヨネ婆さんが一歩前に出る
誰だこの婆さん?という表情で一同見る

「あたしは名もなき婆さんです、今日はひとつ提案を持ってきましたのじゃ」
そう言いながら、懐から一枚の紙を取り出し広げた
「みなさん、これを見てくだしゃれ」
その紙には、こう書かれてあった

チャリティーロックバンドコンクール
賞金 一千万円
町立公民館にて

「町長さん、チャリティーですじゃ、人助けのためにロックバンドコンクールをやりたいんじゃ、これだったら、公民館使わせてもらえるじゃろう?」
町長顔を真っ赤にしながら立ちあがり
「チャリティーだろうとミルクティーだろうと、ロックなんかのために公民館は使わせない!その日は演歌ショーをやるんじゃ!」
青森組組長がおヨネの前に出て、町長を睨みつけた
「うっ・・・」
ヘビに睨まれたカエルのようにドサッと椅子に崩れ落ちる町長
「わ・・・分かった・・・」
おヨネ、目をキラキラさせて
「分かったって、どういうことですか?ロックバンドコンクールのために公民館を使って構わないってことですか?」
「あ・・・ああ・・・使って構わない・・・」
「分かりました、それでは失礼いたします」
おヨネと組長満面の笑顔で帰っていった

ドッと疲れてゲップも出ない町長
署長は心の中で喝采を叫んでいた
・・・権蔵には俺が町長を説得したって言っておこう、ウヒャヒャ・・・

役場から出てきたおヨネと組長、立ち止まって
「太郎ありがとう」
「おヨネちゃんの役に立てて嬉しいよ」
「フン!ホントはウンコ垂れなんかの力を借りたくなかったんだけどね、まあ今回は仕方ないか・・・しかし、太郎は町長のどんな弱みを握っているんじゃ?あんたに睨まれただけでションベンもらしとったぞ」
「ハハハ、もらしはしないだろうけどさ、あいつが町長になれたのも、俺のおかげだからな」
「フフッそうかい・・・どうだ、あんみつ奢ってやろうか?」
「ホントかい!?やった〜〜!おヨネちゃんに奢ってもらうのは初めてかな」
「行くぞ!」
「はい!」
金魚のフンみたいにおヨネの後を付いていく組長
ふたりのおかげで、無事ロックバンドコンクールは開催されることになった 


つづく



 ロックバンドコンクールまで、あと二週間
鹿児島ケンは昔ジャズバンドでベースを弾いていた
その当時の仲間に連絡を取り、ロックバンドを結成して練習していた

ハニーパイも毎日貸しスタジオで練習
同じくクレイジーナイトも、ハニーパイに負けてなるかと猛練習

ハニーパイの練習が終わり、帰ろうとした時、出口のところでクレイジーナイトがギターケース抱えてたむろしていた、邪魔で通れない
おヨネがよく通る声で怒鳴った
「ポール!邪魔だよ」
おヨネに気付いたポール大分はあわててギターケースをどかし、仲間に言った
「お前ら、道を開けろ!ヨネ姉さんが通るぞ!」
クレイジーナイトのメンバーはキョトン
「ヨネ姉さん?」
ポールはおヨネに最敬礼
「今日も練習ご苦労様です」
ハニーパイのリーダー香川も茫然としながら出口を通るおヨネに続いた
あの日以来、ポールはおヨネのことを(ヨネ姉さん)と呼んで尊敬しているのだ

みんなが一生懸命、バンドコンクール目指して練習している時

・・・ロックバンドコンクールが中止になるらしい・・・という噂が流れた

頑固者で演歌好きな町長が、町の公民館をロックバンドコンクールに使うなんてけしからん!と使用禁止命令を出したらしい、主催者は何とか町長に頼んだのだが、頑として受け付けないらしい

ポール大分は父親に聞いてみた
彼の父は警察署長なのだ

仕事から帰ってきた父は居間で寛いでいた
「パパ・・・お願いがあるんだけど・・・いいかな?」
「お願いだと!またか!」
舌打ちする父
「今度は何をやったんだ?先生を殴ったのか?無免許運転で犬を轢いたのか?シンナーか?痴漢か?ゆすりか?たかりか?銀行強盗か?」
「パパ・・・パパは僕を何だと思ってるんだよ?・・・今はそんなことしてないよ、毎日ロックバンドコンクールに出場するために練習してるんだ」
「ロックバンドコンクール?」
「そうだよ、公民館で二週間後にやることになっていたんだ、ところがコンクールが中止になるってウワサが流れているんだけど。パパ知ってる?」
「ああ、そのことか・・・町長が反対してな、ロックバンドのために公民館なんか使わせないって怒ってるんだ、代わりに演歌ショーをやるらしい」
「僕はコンクールで優勝するために毎日練習してるんだよ、今更中止なんて、そんなのダメだよ」
「権蔵!おまえはそんなことやってる場合じゃないだろ!勉強しろ勉強!」
「僕はロックが好きなんだ!」
「クラシック音楽にしなさい!」
「お願いだよ!これからはパパの言うことを何でも聞くから、今までみたいに迷惑かけないから、僕たちこのコンクールを目指してずっと練習してきたんだ!ヨネ姉さんだって、香川だって、みんなコンクールのために頑張っているんだ!お願いします、パパ、コンクールが終わったら真面目に勉強して大学に入って卒業したら警察官になるから!」
頭を下げるポール大分権蔵
じっと見ているパパ
「ホントに勉強するのか?大学に行くのか?警察官になるのか?」
「ホントだよ!絶対絶対、パパとの約束守るよ!」
パパの目に涙が浮かんできた
「分かった・・・明日町長に話してみる・・・」
「ありがとうパパ!」
パパに抱きつくポール、何年ぶりかで子供に抱きつかれたパパは感動のあまり号泣
「権蔵〜〜〜!おまえは生まれた時からホントに可愛らしい子だったよ!パパは嬉しいよ!おまえのためなら何でもしてあげるよ〜〜〜〜!」

ポール、パパの腕の中でニヤッと笑った


つづく




 おヨネが自室でネコのシロとゴロゴロしていた
「おヨネさん、バンドのほうはうまくいってますかにゃ?」
「まあまあだね、みんな一生懸命やってくれてるから楽しいよ、シロのおかげだよ、ありがとう」
「そりゃ、良かったにゃ、ところで、いまは変身して練習してるでしょ?」
「ああ、そうだよ」
「本番の時はどうするにゃ?」
「そうなんじゃよねぇ・・・それをちょっと悩んどるんじゃよ・・・いまの姿で出場して優勝しないと、あの長宗我部社長が借金チャラにしてくれないだろうしねぇ・・・どうしたらいいじゃろ?」
「シロに言われても困るにゃ・・・」
「17歳の彼女は風邪で倒れたからって言って、あたしが代役です!って言えば、ハニパイの人たちも、しょうがないなぁ、じゃあお婆ちゃんよろしく!って、言ってくれないかな〜」
「言わないと思うにゃ・・・」
「そりゃ言わないよね〜〜」
その時、おヨネの部屋を誰かがノックした
ビクッとなるシロ、あわてて隠れた
「はい、どうぞ」

ドアを開けて入ってきたのは鹿児島ケン爺さん
部屋の中を見回して
「いま、誰かいたんじゃないのか?」
「誰もいませんよ、あたし一人」
ケン爺さんは勝手に部屋に入ってきて座った
「話し声が聞こえたが・・・」
おヨネ笑いながら
「うふふ、独り言ですじゃ」
「まあ、いい・・・あんたに頼みごとがあって来たんじゃ」
「あら、珍しい、ケン爺さんが人に頼みごとなんて、やっと世の中男女同権ってことが分かったみたいじゃね」
「ふん、そんなことはどうでもいい!あんたはロックバンドコンクールに出場するのか?」
「あ・・・ああ・・・そのつもりですじゃ」
「バンドは一人じゃ出来ん、あんたは誰とバンド組んでるんじゃ?」
「う〜〜〜〜ん・・・・内緒じゃ」
笑ってごまかすおヨネ
「ワシも出るつもりなんじゃが、どうしてもピアノが見つからないんじゃ、あんたピアノやってたと言っておったの?頼むことは出来ないかな?」
突然の話しに困るおヨネ
「あ・・・でも、あたしもバンドの練習で忙しくて・・・そんな・・・あっちもこっちもってわけには・・・」
「どこのバンドじゃ、ワシが直接頼みに言ってもいいんじゃが・・・」
「いや・・・それは・・・内緒のバンドなんで・・・教えるわけにはいかないんじゃよ・・・」
「内緒のバンド?・・・ホントにバンドやっとるのか?」
「やってます、だけど・・・それ以上教えるわけにはいかんのじゃ」
ケン爺さん、ムッとして
「・・・・嘘じゃな」
「えっ?」
「バンドやってるなんて嘘じゃろ!」
「嘘じゃないですじゃ・・・」
「・・・やっぱり噂は本当だったみたいじゃな」
「へっ?噂って、何のことですか?」
「・・・あんたが、いい歳こいて、若者と不純異性交遊しているという噂じゃ」

「ハァァァァァァァァァ?何の事じゃ?あたしがそんなことするわけないじゃろ?」
「若者の格好して、ミニスカートで町中を走りまわっておったというじゃないか」
おヨネ汗ダラダラ・・・
「いや・・・あれは・・・その・・・」
「あんたは楽園ホームのことなんかどうでもいいんじゃろ!バンドの練習とか言って毎晩若者と遊んでおるんじゃろう!このケダモノ!」
「ケケケケケケケ・・・・・ケダモノ?」
ケン爺さん立ちあがり
「あんたに頼みごとなんかしたのが間違いじゃった!ワシの力でコンクールは優勝してやる!」
ドアを引きちぎるように開けて振り返り最後の一言
「地獄に堕ちろ!」
壁が倒れるような勢いでドアを閉めて去っていった
蒼白になって座り込んでるおヨネ
隠れているシロは腰が抜けた

だんだんおヨネの顔が赤くなってきた
「あたしこそ優勝してやるわよ!見てなさい!」

つづく




 ある朝、楽園ホームにトラックが来た
車体には{岡間解体工事}と書かれていた
トラックは土ぼこりを上げながら乱暴な運転で玄関前に止まった
中から作業服を着たゴツい男が三人降りてきた
朝食を食べていたお爺さんお婆さんたちは吃驚!
あわてて管理人のおばさんが玄関を開けた
「あなたたちは何ですか?」
ゴツい男たちは意外と優しい物腰だった

「あたしたち、岡間解体工事の者です、この楽園ホームの解体工事の見積もりを取りにきましたのよ」
岡間解体工事の三人はオカマだった

「解体工事なんて、頼んでませんよ!」
「あら・・・そうなんですか?私たち、土佐カンパニーに頼まれてきたんですけど・・・」
「土佐カンパニー?何だいそれ?」
「土佐カンパニーの社長、長宗我部さんに頼まれたんです」
「長宗我部?・・・それは何かの間違いですね、楽園ホームはまだ私たちの物です!」
朝食中のお爺さんお婆さんたちも玄関に集まってきていた
「そうよそうよ!ここはあたしたちのお家よ!」
「オカマはさっさと帰りなさい!」
「解体なんかされてたまるもんですか!」

岡間解体工事の三人オドオドしながら
「あらやだ〜オカマだからって馬鹿にしないで、オカマ怒らせると怖いのよ」
お爺さんお婆さんたちは声をそろえて
「帰れ帰れ〜〜」と叫んだ

「あら、ケンさんじゃないの!」
岡間解体工事の三人の中で一番老けた感じのオカマが鹿児島ケンを見つけて声をかけた
他の二人のオカマも、ケンを見つけて
「あらケンさん、ここに住んでたの〜〜最近来てくれないのね〜〜」
「ケンさん、またチークダンス踊りましょう〜〜」
「あらやだ〜〜、またお店に遊ぶに来てくださいね」
玄関から覗いていたケンさんあわててホーム内に戻った
一同「?」と、老けたオカマを見た
「お店って?」管理人のおばさんが聞いた
「岡間解体工事の社員は夜は岡間ショーパブで働いてるのよ」
「ケンさんは週に一度は来てくれてたのに、最近ご無沙汰なのよね〜」

一同唖然
「意外ね・・・ケンさん・・・まあ、そんなことはいいわ!取りあえず見積もりは結構です、お帰りください」
岡間解体工事のオカマたち、あっさりと帰って行った
「どんだけ〜〜〜〜〜」

その姿を二階の部屋からニヤついて眺めていたのは、高知金五郎だった
彼は背広を着ると、いつものように町へ出かけた

楽園ホームから町までは下り坂
30分ほどで町の中心部にたどり着く
最近、高知は毎日のように町へ出かける
時間は朝だったり、夜だったりするが、必ず一度は出かけている
町への下り坂を歩きながら携帯をかける

「ああ・・・ワシだ・・・連絡は?・・・ふむふむ・・・分かった、あいつはもうダメだな・・・追いこみかけろ・・・今から行く」

坂の下から、自転車を押しながらおヨネ婆さんがやってきた
坂の途中で立ち止まる両者
「おや、高知さん、今日もお出かけですか?」
「そういうあんたこそ、毎日出かけているようだな・・・バンドの練習か?」
「あ・・・ああ・・・もちろん、そうですじゃ、長宗我部とかいう金の亡者に楽園ホームを渡すわけにはいきませんからね」
「金の亡者か・・・ふふふ・・・世の中金が一番なんじゃよ、おヨネさん、あんただって、金があればあんな汚いホームじゃなくて、もっと立派な老人ホームに入れるんじゃないのかい?」
「あたしは、楽園ホームが好きなんじゃ」
「ふふふ、あんたにゃぴったりだよ、汚い楽園ホームがな、ぐはは」
嫌味を言いながら坂を下っていく高知爺さん
おヨネ見送りながら
「相変わらず嫌な爺さんじゃ・・・もっと優しい気持ちを持てば、みんなと仲良くなれるのに・・・残念じゃのう・・・」
自転車を押しながら登っていくおヨネさん

町中に{土佐カンパニー}という金融会社がある
最近出来たばかりだが、今ではビルの全フロアを借り切っている
そのビルに入っていく高知爺さん
ビルの最上階に社長室がある、そのドアを開ける高知
社長室のソファに寝ころんでいた黒猫が起き上がり、高知の足にまとわりついてきた
社長質の窓から、山腹にある楽園ホームの屋根が少し見える
「今に見てろ・・・あそこはもうすぐ私の物だ・・・ぐはは・・・」


つづく








 おヨネがいつも着替えの服と自転車を置いてある廃屋
楽園ホームからそこまで自転車でやって来て、17歳に変身する
「ゴクラクゴクラクナムアミダブツ〜〜〜!」
魔法の言葉を唱えて数珠を振り回すと変身できるのだ
17歳用の服に着替えて、練習スタジオに行こうとした時、廃屋の中に五六人の男たちが怒鳴り合いながらなだれ込んできた
あわてて柱の陰に隠れるおヨネ

「あんなことしたらまずいんじゃないか、えっ?」
「ホントだよな〜警察署長の息子が万引きなんてチャチなことやるんじゃねえよ」
突き飛ばされて転がる男
「ごめんなさい、すいません、品物は返します、お金は払います」
転がって泣きそうな男はクレイジーナイトのリーダー、ポール大分だった
取り囲んでいるのは、この町の暴力団、青森組のチンピラ連中だ
「品物返したら、ごめんなさいで済むのか?」
「それじゃ、お前の親父の意味が無いんじゃねえか?」
「そうだよ、悪い奴を捕まえるのが警察署長の仕事だからな」
「おい、ちょっと電話しろよ、警察署長に言ってやらねえとな、お前の息子が万引きしたって」
「そりゃいいや」
あわてて立ちあがるポール大分
「ごめんなさい、それだけはやめてください!お金なら幾らでも払います」
ポールはポケットから分厚い財布を取り出して中から一万円札を出そうとした
しかし、財布ごと取られてしまった
「こいつは取りあえず預かっておく、しかし、それだけで許してもらえると思ったら甘いぜ」
「じゃあ・・・どうすれば許してもらえるんですか?」
「腕の一本でも、もらおうか」
「う・・・腕?まさかそんな・・・」
両側から腕を掴まれるポール、鳴きながら哀願
「やめてください〜〜そんなことされたらギターが弾けなくなります〜〜!」

「やめるんじゃい!」
突然現れるおヨネ
長い棒を右手に持っている
青森組の連中とポールがおヨネを見た
「お・・・お前は?ハニーパイの・・・」
ポールがすぐにおヨネに気付いた

「ポールさん、万引きするなんて、あんたも情けない男じゃのう!さあ、あたしが一緒に行ってやるから、お店の人に謝るんじゃよ」
「なんだ、この女?」
チンピラ連中がすばやくおヨネを取り囲んだ

おヨネは長い棒を構えて
「やめておきな、あたしは薙刀三段だよ」
一瞬ひるむチンピラ連中
「ふん、こっちは五人だ、こんな女に負けるわけがない、みんなやっちまいな!」
「オー!」
一斉に掛かってくるチンピラたち
しかしおヨネの薙刀の威力も素晴らしい、おまけに若い肉体
あっと言う間に一人二人と倒していったが、結局捕まり壁に頭打って気を失ってしまった
ポールはなんにもしていないのに気を失っていた
チンピラたちはおヨネとポールを縄で縛り、青森組の事務所に連れて行った

組長は留守だったので、二人を床に転ばせたまま、チンピラ連中はポールから奪い取った金を持って飲みに行ってしまった、転ばされている間に、おヨネの変身時間が過ぎてしまい、お婆さんの姿に戻ってしまった

帰ってくる組長、部屋はすでに暗くなっている
明かりを付け、転がっている二人を見て組長はびっくり
明るくなったので、おヨネは目を覚ました、しかしポールは気を失ったまま

「あれ?ここはどこじゃ?」
転がっているおヨネを覗き込んでいる青森組長、おヨネ気づいて
「あんた、誰じゃ?」
覗き込んでいた青森組長、目をパチクリして
「おヨネちゃんかい?」
「う?・・・いかにも・・・」
青森組長、頬を緩めて
「俺だよ、坂下の太郎だよ」
おヨネも目をパチクリして、組長の顔を見た
「太郎・・・坂下の・・・藁ぶき屋根の汚い家に住んでいた・・・ウンコ垂れの太郎か?」
「ウンコ垂れは余計だけど、太郎だよ、思い出したかい」
そう言いながら縄をほどいてくれた、ポールはホッタラカシだけど・・・
「ここは、どこじゃい?」
「青森組の事務所だよ、俺はいまここの組長なんだよ」
「ふ〜ん・・・ウンコ垂れの太郎がヤクザの組長か・・・」
「そんな嫌そうな顔しないでくれよ・・・いろいろあってさ・・・ここの先代の組長には世話になったから・・・」
「弱い物いじめして喜んでるってわけなんだな・・・泣き虫だったくせに・・・よくあたしが助けてやったよね、忘れてないだろうな」
「覚えてるよ・・・おヨネちゃんは気が強かったからな・・・しかし、なんでこんなとこで縛られていたんだ?」

おヨネは廃屋であったことを説明した、変身のこと以外はね
「そうか、こいつは警察署長の息子か・・・馬鹿な奴だな」

「馬鹿な奴だけどさ、まあ、今回は許してやっておくれよ、あたしが叱っておくから」
「分かった」
組長はポールの頬を平手打ちして目覚めさせ、外に蹴り出した

「もう二度と万引きなんかするな!今度やったら生きて帰さないぞ!」
ポールは悲鳴をあげながら逃げ去った

「ありがとう太郎、すまなかったね」
組長は子供のようにニコニコしながら
「何か困ったことがあったら、いつでも言ってくれよ」
おヨネ、ちょっとムスッとして
「ヤクザに頼むことなんか無いよ」
そう言いながら颯爽と帰って行った
おヨネを見送りながら首を傾げる組長

・・・しかし、なんでミニスカートなんだ?・・・おヨネちゃん・・・

17歳の服装のままだってことに、おヨネ気付いてなかった・・・


つづく



 コンクールまで二週間
その日もハニーパイは練習
練習後ハニーパイリーダー香川がおヨネにこっそりと
「相談があるんだ、途中まで一緒に帰ろう」と囁いた
練習スタジオ前で石川、山形と別れ、二人は歩きだした
今日は夕方の練習だったから、外はすでに暗くなっていた
町はずれの廃屋に、おヨネのお婆さんの服と自転車を置いてあるので、そこまで横に並んで歩いた

「相談したいことって何じゃ?」
「ヨネちゃんがハニーパイに入ってくれて、俺は嬉しいんだ、ヨネちゃんが居なかったら、ハニーパイがコンクールに出ようなんて思いもしなかったしさ、ありがとう」
「ありゃ〜〜、改まってそんなこと言われると、ちょっと照れるな・・・最初はあたしのこと、嫌っていたくせに」
「嫌ってなんかいないよ!・・・マジ言うとさ・・・一目ぼれっていうのかな、可愛い子だなってすぐに思ったんだ・・・だけどさ、会ったばかりでそんなこと言うと・・・なんかチャラい感じするじゃん、だからちょっと冷たくしちゃったりしたんだけどさ・・・」
「ふ〜ん・・・何だかよくわかんないけど、あたしのこと誉めてくれてるのかな?」
「当たり前じゃないか」

廃屋に着いた
立ち止まるおヨネと香川
「ところで、相談って言うのは、何じゃ?」
香川突然おヨネの手を握ってきた
びっくりするおヨネ
「何するんじゃ?」
おヨネの顔をじっと見つめる香川
「俺、ヨネちゃんのことが好きなんだ」
ゆっくりと顔を近づけてくる香川

おヨネ思った
・・・これって、もしかして接吻?何十年もご無沙汰の接吻?・・・

香川の濡れた唇が近づいてくる
「キャ〜〜〜〜ッ!」
おヨネ、思わず香川の顔をグーッで殴っていた
「グヘッ」
腰を抜かし倒れる香川
「あっ・・・ごめん・・・」
殴られた右頬を抑える香川
「か・・・過剰防衛だぞ!」
「いやあ・・・つい、手が出ちゃってね・・・何せ接吻なんて40年ぶりくらいだから、焦っちゃって・・・エヘヘ・・・」
立ちあがる香川
「え〜?40年ぶり?何言ってんだよ、キスくらいさせてくれたっていいだろ!減るもんじゃあるまいし!」
男はみんなそう言う
その時、暗闇の中から、スクーターの音が聞こえてきた
動揺する香川
・・・ああ、早くしないとそろそろ変身が解けてしまう・・・
と、焦るおヨネ
ふたりの横でスクーターが止まった
ヘルメットを外した茶髪の女がジロッとおヨネを睨んでから、目線を香川に移した
「雅彦・・・何やってるんだ?」
落ち着かない仕草の香川
「い・・・いや・・・ヨネちゃんをさ、ここまで送ってきたんだ、ほら、暗いから危ないじゃん・・・」
茶髪の女、おヨネに目線を移して
「あんたがハニーパイに入ったっていう子だね、私は神奈川マリ、一応雅彦の彼女」
「ありゃ〜〜彼女さんですか」
嬉しそうに近寄り
「まあ、別嬪さんですなぁ〜〜、はじめまして、ヨネ17歳です」丁寧に頭を下げた
意表を突かれてちょっとドキッとするマリ
「17なんだ、タメだね」
「いや、ヨネです」
「・・・・・」
その時、おヨネのキッチンタイマーが鳴りだした、変身が解ける3分前だ
「あ・・・いや、あたし帰らなくてはいけません、マリさん、今日は会えて良かったです」
とりあえず廃屋の中から自転車を引きずり出してくるおヨネ、お婆さんの姿に着替えるわけにもいかないので、そのまま自転車にまたがった
「あ、そうそう、マリさん」
「ん?なんだい」
「あなたの彼氏が、あたしに接吻しようとしたんですじゃ、お仕置きしといてくだされ」
あわてる香川
「あ・・・いや・・・何言ってるんだいヨネ・・・ウグッ」
マリの左ストレートがまともに決まり吹っ飛ぶ香川、廃屋の壁にぶつかって倒れた
「ウググ・・・」
「なんであんたは女と見たらすぐにチョッカイ出そうとするんだよ!」
香川鼻血出しながら「ごめんなさい・・・」
おヨネの走り去ったほうを見ると、暗闇の中、左右に揺れている自転車の灯火が見えた

「ヨネ!気をつけて帰りなよ!」
マリの声を背中に聞きながら、おヨネは全速力で自転車を走らせた
でも、すぐに変身が解けて、足も動きも鈍くなってしまったが、ゼエゼエ言いながらも山道を一路楽園ホームに向かって帰っていくのでありました

つづく





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